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保育士試験について調べると、まず合格率の数字が目に入ります。その一つの数字を見たまま、独学で足りるのか、通信講座に頼るべきなのか決めきれない。そういう段階で読んでいる方に向けて、難易度の分け方から整理していきます。
結論から言うと、保育士試験の難易度は受験資格・筆記9科目・実技の3層に分けて測ったほうが、自分にとっての難しさが見えます。筆記は9科目それぞれに合格ラインが設定され、合格した科目は3年間持ち越せる仕組みがあります。実技には音楽・造形・言語という分野があり、どれを選ぶかで準備の中身が変わります。つまり「難しい/簡単」の一言でくくれる試験ではありません。
以下では、この3層の分け方、確保できる学習時間から独学と通信講座を判断する手順、講座を比べるときの4つの軸を順に見ていきます。合格率・受験資格の細かい条件・講座の費用は年度や改定で変わるため、数字はここには書かず、確認先だけを示します。
執筆:シカクコウザ編集部
結論|保育士試験の難易度を筆記・実技で押さえる選び方の軸
難易度を一つの数字で表そうとすると、判断を誤ります。保育士試験は、受けられるかどうかを決める入口、筆記、実技という三つの層でできていて、つまずく場所が人によって違うからです。
💡 難易度を分解する3つの層
- 層1:受験資格/学歴や実務経験によって、そもそも受験できるかどうかが分かれる
- 層2:筆記9科目/科目ごとに合格ラインがあり、合格した科目は3年間持ち越せる
- 層3:実技/音楽・造形・言語という分野があり、選ぶ分野で体感する負担が変わる
層1:受験できるかどうかを最初に確かめる
教材選びより先に潰しておきたいのが受験資格です。保育士試験の受験資格は学歴や実務経験によって条件が分かれます。ここを飛ばして勉強を始めてしまうと、参考書を1冊読み終えたころに「そもそも申し込めない」と気づく、という遠回りが起こります。
確認するのは自分のケースだけで構いません。最終学歴がどの区分に当たるのか、勤務歴を条件として使う場合に何をどう示すことになるのか。この2点を、試験を実施する団体が公表している受験案内で自分の目で読んでおいてください。人づてに聞いた条件や、まとめ記事の要約で判断しないほうが安全です。
層2:筆記は9科目それぞれの勝負になる
筆記は9科目で構成され、科目ごとに合格ラインが置かれています。総合点で挽回する形式ではないため、得意科目で稼いで苦手を埋める作戦は成立しません。ここが「合格率だけ見ると難しそうに見える」理由の一つでもあります。
ただし裏返せば、9科目すべてを一度にそろえる必要もない、ということでもあります。合格した科目は3年間持ち越せるので、1回で全科目そろわなくても、次の受験では残った科目に集中できます。「一発合格できるか」で難易度を測るのか、「3年で積み上げられるか」で測るのか——この置き方の違いだけで、必要な学習量の見え方はかなり変わります。持ち越しの扱いや申請の手続きは公式の受験案内に記載されているので、計画を立てる前に目を通しておくと組み立てやすくなります。
層3:実技は選ぶ分野で景色が変わる
実技には音楽・造形・言語という分野があります。同じ試験でも、どの分野で受けるかによって練習の中身がまるで違うので、体感する難易度もそろいません。楽器に触れてきた人と、絵を描くのが日課だった人とでは、負担の軽い選択肢は当然変わります。
どの分野が有利かを一般論で決めることはできません。判断材料になるのは「自分が練習を続けられるのはどれか」という一点です。選べる分野の数や当日の進め方といったルールは公式の受験案内に書かれていますから、そこを読んでから練習を始めましょう。
なお、合格率の数値は厚生労働省や一般社団法人全国保育士養成協議会が公表しています。年度によって差があるため、この記事には数字を転記していません。最新の公表資料でご確認ください。独学で進める場合の具体的な手順は、保育士試験を独学で進める手順の記事で別途まとめています。
独学と通信講座、合わなかった場合の切り替え方
「保育士は独学では無理」と書かれた記事もあれば、「独学で十分」と書かれた記事もあります。どちらも嘘というより、前提が省かれているだけです。分かれ目になるのは、確保できる学習時間と、9科目分の情報を自分で集めて更新し続けられるかどうか。この2つで判断が変わります。
独学と噛み合いやすい条件
- 受験案内や公表資料を自分で読み、条件を解釈するのが苦にならない
- 学習計画を自分で組み替えられる。崩れても立て直せる
- まず1〜2科目だけ試して、手応えを見てから広げたい
- すでに合格済みの科目があり、残りが少ない状態から再挑戦する
独学だとつまずきやすい条件
- 何から手を付けるかを決める段階で時間が溶けてしまう
- 実技の練習について、自分だけでは仕上がりの判断がしづらい
- 仕事や家庭の予定で学習が止まったとき、戻るきっかけを作れない
- 情報収集ばかりが進み、問題演習に入れないまま日が過ぎる
子育てや別の仕事と並行して進めるなら、平日にまとまった時間が取れる前提の計画は最初から作らないほうが現実的です。理想の時間割ではなく、先月の自分が実際に机に向かえた時間で組んでみてください。計画と実態のズレが早い段階で見えます。
そして大事なのは、独学か通信講座かを一度決めたら変えられない、と思い込まないこと。筆記は科目ごとに合否が出て、合格分は3年間持ち越せます。つまり科目単位で作戦を変えられる試験なんですよね。独学で2科目そろえて、残った苦手科目と実技だけ講座に頼る——そういう組み方も選択肢に入ります。
✅ 進め方の切り替えを検討したいときのサイン
- 学習時間がゼロの週が続き、前回どこまで進んだか思い出せない
- 同じ科目のテキストを2周したのに、要点を人に説明できない
- 実技をどの分野で受けるか、決められないまま日が過ぎている
- 次の試験日までの残り週数を数えていない
- 教材を買い足すことが、勉強そのものの代わりになっている
当てはまる項目が出てきたら、それは能力の問題ではなく、進め方が今の生活と噛み合っていない合図として扱ってください。切り替える先を探すときは、次の学習形式の相性から見ていくと候補を絞りやすくなります。
学習形式(動画・課題・伴走)の合う合わない
講座の形式には向き不向きがあります。どれが優れているという話ではなく、自分がどこでつまずくタイプかで選ぶものが変わる、という整理の仕方が実用的です。
| 形式 | 噛み合うのはこんなとき | 申し込む前に確かめること |
|---|---|---|
| 動画講義 | 通勤や家事の合間に、細切れの時間を積み上げたい | 視聴できる期間、スマートフォンで見られるか、質問の手段があるか |
| 課題提出・添削 | 締切がないと後回しになる。書いたものへの指摘が欲しい | 提出できる課題の本数、返却までの目安、遅れた場合の扱い |
| 伴走・質問サポート | 独学で一度止まった経験がある。詰まった箇所を人に聞きたい | 質問できる期間と回数、回答までの日数、窓口の種類 |
| 実技向けの練習支援 | 音楽・造形・言語のどれで受けるか決めかねている | 実技対策が含まれるか、含まれる場合はどの分野か、別料金か |
※表に並べたのは確認の観点であって、各社の提供内容ではありません。何が付いてくるかは提供元ごとに違います。実際の中身は公式ページの講座概要と照らし合わせてください。
選ぶときのコツは、教材の量ではなく「自分が止まる場所」から逆算することです。始められないタイプなら締切のある課題提出型、始められるけれど続かないタイプなら質問や面談で外から声がかかる形式。過去に独学で止まった経験がある人ほど、動画中心の形式を検討するときは質問の手段があるかどうかを先に確かめておくと判断しやすくなります。
比較でチェックしたい通信講座(公式情報で確認する)
講座を比べ始めると、パンフレットの情報量に押し流されます。軸を4つに絞ってしまいましょう。費用、添削回数、実技対策の有無、サポート期間。この4つを同じ順番で書き出すだけで、比較が一気に楽になります。
| 比較の軸 | 公式サイトで見る場所 | 見落としやすいところ |
|---|---|---|
| 費用 | 受講料の総額と、教材費・送料が別扱いかどうか | 分割払いを選んだ場合の支払総額 |
| 添削回数 | 提出できる課題の本数と、対象になる科目の範囲 | 回数の上限に達した後、追加で提出できるか |
| 実技対策の有無 | 音楽・造形・言語のどの分野に対応しているか | 実技だけ別講座・別料金になっていないか |
| サポート期間 | いつから起算して、いつまで有効か | 期間を延ばせるか、延ばせる場合の条件 |
※こちらも比較の観点をまとめたもので、各社の提供内容を示した表ではありません。費用や教材構成は改定されることがあるため、金額と回数はこの記事に記載していません。数字は各公式サイトの最新の案内で確認してください。
確認先として挙げるのは、ユーキャン、四谷学院通信講座、ヒューマンアカデミー通信講座(たのまな)の3つです。それぞれの講座内容・費用・サポートの条件は各公式サイトに掲載されています。この記事では優劣を付けず、同じ軸で並べる方法だけをお伝えします。
やり方は単純で、紙を1枚用意して縦に4軸、横に社名を並べるだけ。ユーキャン、四谷学院通信講座、ヒューマンアカデミー通信講座(たのまな)のどれを見るときも、見る順番を変えないのがポイントです。順番を変えると、最後に読んだ講座の印象だけが強く残ります。埋まらないマスがあったら、それは「情報がない」のではなく「まだ確認していない」欄。資料請求や問い合わせで埋めてから比べてください。
合格保証の有無や合格率の高さで優劣を断定することは、この記事ではしません。気になる場合は、その条件がどこまで適用されるのかを公式の記載で読み取ったうえで判断材料にしてください。そもそも保育士に絞りきれていない段階なら、資格の比較・ランキング記事で候補を並べ直してから戻ってくる手もあります。
申し込み前の注意点
比較が終わって申し込みボタンに手が伸びる直前、ここで一度止まると後悔が減ります。確認する項目はそう多くありません。
⚠ 申し込む前に読み直したい5項目
- 受験資格を、自分の学歴・実務経験に当てはめて確認したか
- 次の試験日と申込締切を把握しているか
- サポート期間が、自分の受験予定日まで届いているか
- 実技対策が自分に必要か。必要なら講座に含まれるか、別料金か
- 支払方法と、途中でやめる場合の扱いを読んだか
3つ目は特に見落としがちなところです。学習を始める時期が遅れると、サポート期間の終わりが受験日より手前に来てしまう可能性があります。起算日がいつなのかを申込前に確認しておきましょう。
通信講座が誰にとっても正解というわけでもありません。受験案内を自分で読み込み、9科目の計画も自力で組める人にとっては、講座の管理やスケジュール機能が窮屈に感じられることもあります。すでに独学で数科目そろえている人なら、残った苦手科目の対策だけに絞って考えるほうが噛み合うかもしれません。
申し込みや解約の条件で判断に迷ったときは、消費生活に関する相談窓口を設けている国民生活センターの情報も参照できます。契約前に立ち止まって条件を読む、という手間を惜しまないでください。保育士に絞る前に働き方そのものから考え直したい場合は、女性の資格選びに関する記事にも目を通してみてください。
よくある質問|保育士試験の難易度を筆記・実技
Q. 保育士試験の合格率はどのくらいですか?
A. 年度によって差があります。数値は厚生労働省や一般社団法人全国保育士養成協議会が公表しているので、最新の資料でご確認ください。この記事に数字を書いていないのは、古い数値が独り歩きするのを避けるためです。
Q. 独学で保育士試験に挑むのは無理でしょうか?
A. 無理と断定はできません。判断を分けるのは、確保できる学習時間と、受験案内や資料を自分で読んで計画に落とせるかどうか。筆記は科目ごとに合否が出て3年間持ち越せるので、まず1〜2科目で試してから広げる進め方も選べます。
Q. 実技はどの分野を選ぶと有利ですか?
A. どの分野が有利かを一般論で決めることはできません。音楽・造形・言語のうち、自分が練習を続けられるのはどれかで選ぶのが現実的です。選べる分野の数や当日の進め方は、公式の受験案内で確認してください。
Q. 筆記で落とした科目は、また全科目やり直しになりますか?
A. いいえ。合格した科目は3年間持ち越せる仕組みがあり、次の受験では残った科目に集中できます。持ち越しの適用範囲や申請の手続きは公式の受験案内に記載されていますから、そちらを確認してから計画を立ててください。
Q. 通信講座はどれを選べばいいですか?
A. どれが一番かをこの記事で決めることはしません。費用・添削回数・実技対策の有無・サポート期間の4軸を同じ順番で書き出し、ユーキャン、四谷学院通信講座、ヒューマンアカデミー通信講座(たのまな)の公式サイトで埋めていく方法をおすすめします。費用は改定されることがあるため、金額は必ず最新の案内で見てください。
まとめ|保育士試験の難易度を筆記・実技
ここまでの整理を、判断に使う順番で並べ直しておきます。
- 受験資格を自分の学歴・実務経験に当てはめて確認する(ここが最優先)
- 筆記9科目は科目ごとに合格ラインがあり、合格分は3年間持ち越せる。一発合格前提か、積み上げ前提かで必要な学習量の見え方が変わる
- 実技は音楽・造形・言語のうち、自分が練習を続けられる分野で選ぶ
- 独学か通信講座かは、確保できる学習時間で分岐させる。科目単位で切り替えてもいい
- 講座は費用・添削回数・実技対策の有無・サポート期間の4軸で並べ、数字は公式サイトで確認する
合格率という一つの数字は、あなたの生活時間も、これまでの経験も知りません。分解して、自分の条件に当てはめて測り直したとき、初めて「自分にとっての難易度」が出てきます。まずは受験資格の確認から始めてみてください。
独学で進める場合の具体的な進め方は、別記事で手順ごとにまとめています。
※合格率・受験資格の条件・講座の費用やサポート内容は改定されることがあります。数値と条件は、試験を実施する団体および各講座の公式サイトで最新の情報をご確認ください。

