※本記事はプロモーションを含みます
未経験からWebデザイナーを目指すとき、最初に開くのはたいていツールの使い方講座です。ところが操作をひと通り覚えても、応募していい状態に届いたのかどうかは自分では判断できません。基準が「スキルが身についたら」という、輪郭のない言葉のままだからです。
結論から言うと、ツールの習熟度ではなく提出できる制作物を先に決めてしまうほうが迷いません。架空の案件でかまわないので、要件・ターゲット・そのデザインにした意図まで言語化した制作物を3点。ここをゴールに据えると、触るべき機能も読むべき教材も逆算で絞られていきます。
しかも、その3点の仕様を想像で決める必要はありません。応募したい求人票の応募条件欄が、そのまま仕様書の材料になります。以下では、求人票を仕様書へ読み替える手順、最初の1か月で到達したい状態、独学とスクールをどう分けて考えるかまでを順に整理していきます。なお採用の可否や給与の水準は求人ごとに異なるため、この記事に数字は置かず、求人票のどこを読むかという形で扱います。
執筆:シカクコウザ編集部
結論|未経験からWebデザイナーになる手順の要点を先に
やることは4つだけです。条件は、この順番を入れ替えないこと。
💡 到達物から逆算する4ステップ
- 応募したい求人を3件選び、応募条件と仕事内容の欄をそのまま書き写す
- 書き写した条件を、制作物に必要な要素へ読み替える(これが仕様書になる)
- 架空案件でよいので、要件・ターゲット・意図を言語化した制作物を3点つくる
- できた3点を求人票の条件と並べ、埋まっていない項目だけを足す
ステップ1が地味に効きます。求人票の応募条件欄には、その仕事で扱うものの名前や担当範囲が具体的な言葉で書かれています。自分の頭で「Webデザイナーに必要なもの」を想像するより、実際に応募したい求人が求めている項目を書き写したほうが、対象がはっきりします。3件そろえるのは、1件だけだとその会社固有の事情なのか共通して並ぶ項目なのかを自分で見分けられないからです。
ステップ2の読み替えが、この手順の核心にあたります。求人票は募集文の形で書かれていますが、そこに並ぶ言葉は「何が作れる状態か」を示す条件でもあります。担当範囲として書かれている業務は、そのまま制作物で見せる項目に置き換えられます。読み替えた結果を1枚のメモにしておくと、以降の学習で迷ったときに立ち返る場所ができます。
| 求人票の記載(例) | 制作物の仕様への読み替え | 3点のどれで見せるか |
|---|---|---|
| バナー・LPの制作 | 1枚の画面で、読み手に取ってほしい行動まで導く構成 | 1点目 |
| 既存サイトの更新・運用 | 複数ページで共通ルールを保ったまま追加・修正できる作り | 2点目 |
| ディレクターと連携して制作 | 要件を文章で受け取り、決めた理由を文章で返せる状態 | 3点すべての添え書き |
| 指定のデザインツールを使用 | そのツールで制作データを作り、他者が開ける形で保存する | 制作データそのもの |
※上の左列は読み替えの例です。実際に書き写す内容は、自分が応募したい求人票の記載に置き換えてください。
ステップ3で「架空案件でいい」としているのは、実案件を待っていると着手が止まるからです。架空でも、誰に向けて・何を伝えて・なぜその形にしたのかを自分で決めて書き残せば、判断した跡は制作物に残ります。逆に、実在の依頼であっても言われた通りに作っただけで理由を説明できなければ、残るのは見た目だけです。
ステップ4は、応募の可否を自分で判断するための照合作業です。求人票の条件と自分の3点を並べて、埋まっていない項目が見えたら、その項目だけを学べばいい。学習範囲が無限に広がらないのは、この照合を挟むからです。学ぶ順番そのものを組み立て直したい場合は、スキル習得の全体像をまとめた記事を先に読んでおくと、この4ステップをどこに置くかが決めやすくなります。
他のやり方と比べたときの位置づけ
未経験からの進め方は、大きく3通りに分かれます。どれが優れているという話ではなく、判断の基準をどこに置くかの違いです。
| 進め方 | 中身 | 止まりやすいポイント |
|---|---|---|
| ツール操作から覚える | 講座や書籍に沿って機能を順に触っていく | 機能に終わりがなく、応募していい線を自分で引けない |
| 好きなサイトを模写する | 見た目を再現しながら手を動かす | 再現はできても、なぜその形なのかを説明する材料が手元に残らない |
| 到達物から逆算する(この記事の立場) | 求人票を仕様書に変換し、制作物3点を先に定義する | 最初の変換作業が地味で、着手までに気力がいる |
ツール操作も模写も、それ自体は制作物を作る過程で必要になります。順番の問題として、先に到達物を置くかどうかだけが違う、と考えるとつながりが見えるはずです。逆算から入ると、模写も「この画面のどの判断を盗むか」という目的つきの練習に変わります。
独学で進めるか、学習サービスを使うか
ここは好みではなく、自分が止まる場所で分けるのが実用的です。判断材料は3つ用意しておくと十分でしょう。
- 仕様書を自分で書けるか/求人票を読み替えたメモが1枚書けたなら、独学の土台はできています
- 詰まったときに聞ける相手がいるか/調べて解決するのが苦にならないタイプなら、伴走への支出は薄くて済みます
- 締切がないと進まないか/過去に独学で止まった経験があるなら、提出や面談のある形式が候補に入ります
オンラインで学ぶ選択肢としてデイトラのようなサービスを候補に入れるなら、料金・カリキュラムの範囲・サポートの形式・受講できる期間を各公式サイトの記載で確認したうえで比べてください。同じ名前の講座でも内容が変わることがあるため、まとめ記事の要約ではなく提供元の情報を見るほうが確実です。契約期間や中途解約の条件も、申し込みボタンを押す前に読んでおきたい部分になります。消費生活に関する情報は国民生活センターのサイトでも公開されているので、契約面に不安があるなら申し込み前に目を通しておくと判断材料が増えます。
Webデザインに限らず、オンラインスクールの比べ方そのものを知っておきたい人は、Webマーケティングスクールの選び方をまとめた記事で受講形式やサポート範囲の見比べ方を確認しておくと、ジャンルが違っても判断の型は使い回せます。
小さく試して判断する方法
いきなり3点を目標にすると重いので、最初の2週間は1点目だけに絞ります。狙いは完成度ではなく、自分がこの作業を続けられるかを実生活で検証することです。
手順はシンプルで、制作に入る前に要件シートを1枚書きます。書く項目は「誰に向けたものか」「その人に何をしてほしいか」「そのために画面のどこで何を見せるか」の3つ。この1枚が書けないうちにツールを開くと、色や余白を延々といじって時間だけが溶けます。逆に1枚書けてしまえば、あとは書いた通りに置いていく作業へ変わります。
✅ 2週間後に確認したいこと
- 要件シート(誰に・何を・どこで見せるか)を1枚書けたか
- 1点目を「未完成でも人に見せられる状態」まで持っていけたか
- 平日に確保できた時間は実績で何分だったか(理想の時間ではなく実績)
- 詰まったのは操作なのか、それとも決められないことなのか
- 作業そのものが苦にならなかったか
4つ目の切り分けが、次の一手を決めます。詰まりが操作なら、必要な機能だけを調べれば前に進みます。詰まりが「決められない」のほうなら、足りないのは操作ではなく要件です。要件シートに戻って条件を書き足すと、決められない状態そのものが減っていきます。
並行してやっておくと視野が広がるのが、仕事の募集がどんな言葉で書かれているかを眺めておくことです。クラウドワークスのようなマッチングサービスでは募集が掲載されているので、応募するかどうかは別として、募集要項に並ぶ項目を読んでおくと求人票の読み替え作業と地続きになります。登録の要件や手数料の扱いはサービスごとに違うため、そこは公式サイトの記載を確認してください。在宅で働く形そのものを検討しているなら、未経験から在宅ワークを始める手順の記事もあわせて読んでおくと、働き方の選択肢を並べて考えられます。
最初の1か月で到達したい状態
1か月後のゴールは「3点そろっている」ではなく、3点の設計図がそろい、1点目が説明できる状態で完成していることです。点数を追うと中身が薄くなるので、内訳を先に決めておきます。
| 制作物 | 自分で確かめられること | 仕様書に必ず書く項目 |
|---|---|---|
| 1点目:1画面完結のページ(架空の商品・サービス) | 情報の順序を自分で決められる | 想定読者/取ってほしい行動/最初に見せる要素 |
| 2点目:数ページの小さなサイト(架空の店舗・団体) | 画面をまたいでルールを保てる | ページ一覧/共通で使う部品/見出しと余白の決め方 |
| 3点目:1点目の作り直し(改善提案の形) | 変更した理由を言葉にできる | 変更前後の比較/変えた理由/あえて変えなかった箇所 |
3点目を他人のサイトではなく自作の1点目にしているのには理由があります。実在するサイトを勝手に題材にすると、掲載や権利の扱いを別途確認する手間が発生するからです。自分で作ったものなら、その確認をまるごと省いたうえで「改善の過程」を見せられます。1点目を作った時点の判断と、1か月後の判断の差がそのまま材料になるわけです。
意図の言語化は、制作物1点につき数行で足ります。決まった書式はないので、次の順で書けば十分でしょう。
- この制作物は誰の、どんな場面のために作ったか
- その人に最初に見てほしいものは何で、なぜそれを一番上に置いたか
- 色・文字の大きさ・余白のうち、意図をもって決めたものを1つだけ挙げて理由を書く
- 時間があればやりたかったが、今回は外した判断
4つ目まで書けると、制作物が「作りっぱなし」から「判断の記録」に変わります。全部を説明しようとせず、1点につき1つか2つに絞るのがコツです。
使うツールは、書き写した求人票に名前が出ていたものへ合わせます。FigmaとAdobe Photoshopのどちらが並んでいたかを見て、1か月目に触るものを1つ決めるだけで十分。両方を同時に覚えようとすると、3点のうち1点も終わらないまま月末が来ます。それぞれの料金や動作条件は提供元の公式サイトで確認してください。
⚠ 制作物で避けたい書き方
- 架空案件なのに、依頼を受けたかのように書く(架空であることは1行明記しておく)
- 実在する企業や店舗を無断で題材にする(確認の手間が増えるので架空設定のほうが早い)
- 制作期間や担当範囲を実際より広く見せる
- 参考にしたデザインの要素を、出どころを伏せたまま自分の判断として説明する
時間の作り方と現実的なペース配分
計画が崩れる原因は、たいてい教材ではなく時間の見積もりにあります。順序としては、学習開始日ではなく締切から置くのが確実です。
- 応募したい時期を1つ決め、その日をカレンダーに入れる
- そこから逆算して、3点それぞれの締切日を先に置く
- 今日から最初の締切までの週数を数える
- 平日と休日に確保できる時間を、先月の自分の生活で書き出す
- 1点目にかかった日数を記録し、2点目・3点目の見積もりを更新する
4番目は理想ではなく実績で埋めてください。残業の多い週や家庭の予定がある週を平均から外して計画すると、開始2週間で破綻します。5番目の更新作業を入れておくと、遅れが出たときに「自分が怠けた」ではなく「見積もりが甘かった」と切り分けられるので、途中でやめる理由が減ります。
この問いに、記事の側から「大丈夫です」と答えることはできません。未経験可という言葉が指す範囲は求人ごとに違い、応募条件欄に別の項目が並んでいることもあるからです。確認できる情報は求人票そのものにあります。応募条件、仕事内容、雇用形態、勤務地、給与欄。この5か所を自分の目で読み、書かれている条件と自分の3点を照らし合わせる。判断材料をそこに置いておけば、ネット上の一般論に振り回されずに済みます。
給与についても同じで、この記事では金額を書きません。求人票の給与欄に記載された条件が、その求人における確認可能な情報です。複数の求人票を並べて条件を見比べると、自分が優先したいものが給与なのか担当範囲なのか働き方なのかも、見えてきます。
💡 ペース配分で外さない3点
- 締切を先に置いてから学習内容を決める(逆順にしない)
- 確保できる時間は先月の実績で見積もる
- 1点目の所要日数を測ってから、残り2点の予定を引き直す
よくある質問|未経験からWebデザイナーになる手順
美大や専門学校を出ていないと応募できませんか?
学歴に関する条件は、求人票の応募条件欄に書かれています。記載の有無や内容は求人ごとに異なるため、気になる求人を3件そろえて条件欄を読み比べるのが確実です。想像で応募をあきらめる前に、条件として何が書かれているかを確認してください。
FigmaとAdobe Photoshop、どちらから触ればいいですか?
応募したい求人票に名前が出ていたほうからで構いません。両方を同時に覚えようとすると制作物が1点も終わらないので、1か月目は1つに絞るほうが進みます。それぞれの料金や動作条件は各公式サイトで確認してください。
ポートフォリオは何点あればいいですか?
この記事では3点を目安に置いています。点数そのものより、1点ごとに要件・ターゲット・意図を自分の言葉で説明できるかどうかが判断材料になります。説明できない5点より、説明できる3点のほうが手元の材料としては使えます。
実務経験がないと制作物として弱くなりませんか?
架空案件でも、要件を自分で定義して理由を残せば判断の跡は残ります。実際の募集がどんな言葉で条件を書いているか知りたい場合は、クラウドワークスのようなマッチングサービスで募集要項の書かれ方を読んでおくと、要件シートに書く項目の参考になります。登録要件や手数料は公式サイトの記載を確認してください。
独学で行き詰まったらどうすればいいですか?
詰まりの種類で分けてください。操作で止まっているなら必要な機能だけを調べれば進みます。決められないことで止まっているなら要件シートに戻る番です。それでも動かないときに学習サービスを検討する流れなら、料金と契約条件を公式サイトで確認したうえで比べましょう。
まとめ|未経験からWebデザイナーになる手順
この記事で扱った手順を、短く並べ直しておきます。
- 応募したい求人を3件選び、応募条件と仕事内容を書き写す
- 書き写した条件を、制作物に必要な要素へ読み替えて仕様書にする
- 架空案件でよいので、要件・ターゲット・意図を言語化した制作物を3点つくる
- 最初の2週間は1点目だけに絞り、続けられるかを実生活で検証する
- 採用の可否や給与は、求人票の応募条件欄と給与欄という確認できる情報で判断する
ツールの操作は、この流れの中で必要になった順に覚えれば間に合います。先に決めるのは、覚える範囲ではなく提出するもの。そこさえ動かなければ、学習が横に広がっても迷子になりません。
Webデザインを含めて、学ぶ順番そのものを組み立て直したい方へ。


